あらゆる情報が溢れ、自動化が進んでいく時代だからこそ必要なもの。それは希少性のある情報だ。『僕たちは、地味な起業で食っていく。』著者の田中祐一氏は、人と人との関わりがむしろAI時代には強みを発揮すると話す。副業に対する向き合い方をいま1度、考え直してみよう。

AIによって消えない仕事はまだまだある

AIによって多くの仕事は消えていくと言われていますが、これは人数の多い大企業に限られると考えます。社員10人以下の小さな会社の社長がAIを使って業務を劇的に効率化するのは難度が高い。でも、いろいろやりたいことがある。この悩みが私の実践してきた「地味な起業」にとっての穴場になっています。私は会社員時代、目立った存在ではありませんでした。「好きなことで生きていく」というライフスタイルに憧れはありましたが、自分には無理でした。起業するなら強みや実績が必要だと思いますが、そんなハイスペックな人間ではない。それなら、逆に彼らをサポートする側になればいいと。

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私が当初行っていた社長サポートの仕事(副業)は、主婦でもアルバイト感覚でできるようなものばかりです。そういった仕事は、いまはWeb上でいくらでも探すことができる。小さな会社の社長は、ブログを書きたいけどできない、資料に画像を挿入したいけどできない。そういう方は、40代から60代を中心にたくさんいらっしゃる。そういう方に会おうと考えたとき、AIがどうこう言っていても仕方がない。直接顔を合わせたうえで、信頼できる人にお願いしたいのが本音なのです。