インターンが普及したことも見逃せません
この背景は2つあります。まずIT系では、イノベーション重視で企業が大学の研究室とのパイプを構築したがっているから。例えば、卒業生を優遇することでAIの研究室を丸ごと抱えようという戦略です。もう1つ、インターンが普及したことも見逃せません。入社前に社員以上の働きを見せるインターン生がいたら、他社に流出させたくないと考えるのは当然です。
もっとも、新卒1000万円の真の“上級”はレアな存在です。その他大勢は以前と同じで初任給横並びです。ただ、以前は緩やかだったペースを上げて昇給をさせる会社が増えてきたのです。インターンの普及で入社前に教育されていること、20代は転職が容易で、ある程度の給料がないと離職されることなどが理由です。
そして賃金カーブが立って20代の給与が増えた影響で、40~50代で変化についていけない社員は逆に給与を下げられています。実際、役職定年で給料が下がったり、早期退職が常時募集になって、それとなく退職を促される人が続出しています。上級が役員になり、その後も余禄として他社の社外取締役などを務めて稼ぎまくるのとは対照的です。
この状況の中で、どうすれば給料を増やすことができるのか。おすすめは社内転職。いま、あるいはこれから会社が力を入れるであろう事業部に異動するのです。儲かる事業部は賞与が多く出ます。結果を出せば目立つので、次のチャンスにつながって長期的にも昇給が期待できますよ。
(構成=村上 敬)