社内転職で上級会社員に

2019年は上級国民、下級国民という言葉が流行りました。上級と下級があるのはサラリーマンも同じ。年功序列でみんな一律という時代は終わり、上級か下級かで給料に差がつき始めています。

まず最新の給料をデータで確認してみましょう。国税庁の「民間給与実態統計調査」(平成30年)によると、給与の分布は図の通りです。また、民間の給与総額は前年比で3.6%増。一人当たりの平均給与も2.0%増えています(女性の就労者が増えた影響で増加幅が縮小)。ところが、一方で所得税額も10.2%増えています。給与に占める所得税の割合も4.95%と、過去10年でもっとも高くなっています。これでは給与が増えた実感を持てない人が多いというのも納得です。

昔から高給取りはごく一部にすぎませんでしたが、以前とは中身が違います。若手でも高給を取る人たちが現れ始めたのです。NECは難関学会の論文採用など高い評価実績のある研究職志望の新卒に、年収1000万円以上を提示すると発表しました。IT系だけではありません。くら寿司やオンデーズといった飲食や小売りでも、優秀な新卒を特別に処遇する制度を取り入れています。初任給が横並びだった昔と違い、いまはスタート時点から上級組が存在します。