AI時代にこそ、反省日記のススメ

学歴と収入には相関関係がある。学歴が高いほど年収は多くなる傾向がある(図)。

とはいえ、例えば東大卒の中にも個人差があり、残念ながら平均年収を下回る人もいる。高学歴で成果を出す人、高学歴なのに活躍できない人の差はどこから生まれるのか。

「残念ながら一流大学卒の肩書は出世も高年収も約束していません。たしかに高学歴の人材は知識の修得力や論理的思考力は優れているので部下としては重宝されますが、部下をまとめるマネジャーやリーダーとしての能力は必ずしも高くないため出世できないのです。私の高校の同期も3人に1人が東大に入りましたが、上場企業の社長や役員になったのは、実は一握りです」

こう語るのは多摩大学大学院名誉教授の田坂広志さんだ。東京教育大学付属高校(現筑波大学付属高校)から東大に入学、同大学院で博士号を取得後、民間企業で長くビジネスの現場を見てきた実感だという。ではマネジャーやリーダーに必要な能力とは何か。

「何より大切なのは、相手に対する細やかな配慮や相手の気持ちを感じ取る『人間関係力』です。それがなければ、営業では顧客の心を掴めず、社内では部下を励まし、育てることができません。さらには、多くの部下が『あの人と一緒に働きたい』と思ってくれるような人生観や生き様、志や使命感といった『人間力』が問われます」