老後資金をどう準備するのが正解なのか。重要なことは想定外のリスクに備えておくことだ。シニアの読者4人の「お金に関する想定外」を紹介しよう。第1回は「生涯賃貸のつもりが親の介護で住宅ローン」――。(全4回)

生涯賃貸のつもりが親の介護で住宅ローン

【定年時の貯金額】マイナス1000万円以下

あんな豪邸に暮らす人は、さぞやお金の余裕もあることだろう――。松井さんの自宅は、誰もがうらやむ横浜市内の高級住宅街にある。間取りは6LDK。父親が所有する一戸建てを2000年頃に松井さんが建て替えたものだが、この家こそが人生最大の誤算。老後を脅かす元凶となっている。松井さんは当時をこう振り返る。

松井さん(仮名)63歳、男性、専門商社総務(再雇用)●家族構成/実母、妻、長男(独立)、長女(独立)

「私も妻も家にこだわりがなく、ずっと公団で暮らしていたのですが、父が倒れ、看病に疲れ果てた母から“同居してほしい”と頼まれたのです」