国際的に微妙な立場にある台湾。その指導者は、どのように世界を見ているのか。李登輝さんが台湾総統を退任する直前に刊行されたのがこの本だ。愛国心に裏打ちされた主張にはいちいち深く頷かされる。また、22歳になるまで日本国籍を有していただけに、われわれに対しても慈愛に満ちた提言を示してくれる。その言葉はきわめて的確であり、学ぶべきところが多い。
折に触れて顔を出す人生観も滋味深い。一直線に目的地を目指すのではなく、回り道をして「時を待つ」ことも必要だ、という指摘などを共感しつつ読んだ。数年前に来日された際に会食したが、書物や報道から想像していたとおりのお人柄だった。
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