3年半前の社長就任時は、大好きな歴史小説すら楽しめませんでした。弊社の前身であるカネボウは、粉飾決算が発覚するなど経営難に直面。精神的にも追い込まれていました。半年の悪戦苦闘を経て再生の道筋が見え始めたとき、本書を思い出したのです。
仙台藩家老の原田甲斐は「伊達60万石」を守るため、命のみならず名誉もかなぐり捨てて幕府老中らに立ち向かう。事実、原田は本書で描かれるまで多くの歴史家から「藩政を牛耳った奸臣」と評価されていました。
本書を読み返し、自信を持ちました。従業員を守るためには、自分の信じる道をただ歩き続ければいい。評価は後々の人に任せよう、と。経営者としての私を導いてくれた一冊です。