次なるねらいは外国人向けのプロモーション

冒頭で紹介したように、これだけ市場が拡大したグミだが、課題も残る。

ひとつは、明治の調査によると「グミの購入率は約40%」(2018年度)にとどまること。100%に近いチョコレートに比べると愛用者は多くないが、逆に訴求次第で可能性が広がる。

また、日本で暮らす外国人も増加し、訪日外国人も年間3000万人を超える時代だ。

そうなると、モノづくりやコトづくりでの消費者訴求も変わってくる。前者は「日本の生活者」で、後者は「より日本を知ってもらう消費者(予備軍)」といえよう。すでにメーカー各社は、2020年7月24日から始まる「東京五輪」も見据えている。

「当社の場合は、『東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会』(を含む期間)の乳製品・菓子部門で『ゴールドパートナー』になっています。契約カテゴリーは13あり、グミやチョコレートも入っているので、さまざまな訴求ができます」(吉川さん)

よく「グローバルでの活動」と言われるが、来年は特に、日本を訪れる外国人に向けた“いながらグローバル”(日本にいながらのグローバル活動)が大切になりそうだ。

「例えば『果汁グミ』の食感は外国製のグミにはありません。また、定番品の『ぶどう』『温州みかん』『いちご』『もも』は、それぞれの果物の形をしています。こうした独自性を含めた、消費者訴求も考えているところです」(杉山さん)

ブランド全体では年間売上高が90億円近くになり、国内における“メガブランド”の目安とも言われる100億円に近づいた「果汁グミ」。国内外で喫食体験者を増やせば、さらなる成長も期待できそうだ。

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