どのメーカーも1番人気は「ぶどう味」

グミの人気に火をつけた「果汁グミ」発売から31年。2000年以降は各社から果汁系や飲料系のラインアップも増えた。味は大きく分けて「果汁系」(約60%)とコーラやソーダなどの「飲料系」(約24%)だという。

現在、競合も含めた「グミの売れゆきベスト3」はこうなっている。

(1)「果汁グミ」(明治/シェア14.0%)
(2)「ピュレグミ」(カンロ/同9.2%)
(3)「フェットチーネグミ」(ブルボン/同7.7%)

※2018年12月~2019年11月 インテージSRI:SUPER+CVS+DRUG/全国の調査データ

ちなみに「グミ」の人気フレーバーは、昔から変わらない。

「一番人気はぶどう味(グレープ)です。ゼラチンとの相性がよく、ジューシーさが感じられるのでしょう。どのブランドもぶどう味が強く、『果汁グミ』も『ぶどう』が1位で、2位『温州みかん』の約2倍売れています」(杉山さん)

なお、カロリーは「果汁グミ」のぶどう(1袋51g)で167キロカロリー、同温州みかんで169キロカロリーとなっている。特に高カロリーとはいえないが、前述の「やわらか黒おしゃぶり昆布」は28キロカロリーだった。

弾む、硬め、優しい…かみ心地はさまざま

一方、実際に食べた場合の“かみ心地”は商品によって違う。

例えば、国内で競合する「フェットチーネグミ」(ブルボン)は、商品パッケージでも「アルデンテな“弾む”噛みごこち!」を打ち出す。実際に口にすると、かみがいがある食感。「ピュレグミ」(カンロ)もきちんとしたかみ具合だ。

外国製で人気の「ハリボー(HARIBO)」(原産国ドイツ。取り扱いは三菱食品)は硬い。グミのパイオニアとして知られ、欧州ではおなじみのブランド。日本にもファンがいる。

一方「果汁グミ」は触っただけでも違い、口にすると優しいかみ心地だ。

「当社の『コーラアップ』は硬めですが、『果汁グミ』は柔らかすぎず、硬すぎず、多くの人に心地よい食感だと思います」(杉山さん)

明治が行った消費者調査では「間食で求めること」は、「かみ応えが欲しい」という回答が目立った。かむことを重視する人も多いが、若者を中心に咀嚼そしゃく力が弱まったと指摘される現代。適度なかみ心地は、各社も意識しているようだ。

また、かつて社会問題となった「こんにゃくゼリー」もそうだが、特に幼児や高齢者がかまずに飲みこんだ場合は事故につながりかねない。各メーカーは、1個の大きさを工夫しつつ啓発活動を続けている。明治の「コーラアップ」パッケージ裏には「のどに詰まらせないよう、少しずつよく噛んでお召し上がりください」と赤系文字が記されていた。そこまで硬くない「果汁グミ」も同裏に「よく噛んでグミを食べよう」と記してある。