人材紹介会社は転職でステップアップできるとうたうが、本当だろうか。人材紹介会社を経営する郡山史郎氏は、「転職者が増えた結果、採用条件が厳しくなり、転職しにくくなっている。特に転職回数が多いと足切りされやすい。つまり転職する人ほど転職を余儀なくされるのだ」という――。

※本稿は、郡山史郎『転職の「やってはいけない」』(青春新書)の一部を再編集したものです。

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「転職回数は1回まで」の企業もある

求人サイトや人材紹介会社などのCMでは、転職でステップアップしようとあおっているが、転職の経験が多いことは明らかに採用選考においてマイナスポイントになる。転職回数は今や転職活動において、年齢の次に大事なファクターだ。

転職回数は少ないに越したことはない。では、何回までならOKなのだろうか。これまでさまざまな企業からの求人案件を見てきたところ、「転職回数は2回まで」を条件にしている企業が多い。なかには「1回まで」という厳しい条件を挙げる企業もある。

会社の売上げに直接貢献する営業職やエンジニアは、成績がよければより高い待遇を求めて転職回数を重ねてしまうことが考えられるので、まだ許される。しかし、経理や財務や人事などバックオフィスの仕事で転職回数が多い人は、徹底的に嫌われる。こうした職種においては、実績はあるが転職経験の多いAさんと、実績は劣るが転職回数ゼロのBさんがいたとしたら、Bさんが選ばれる可能性が高い。

つまり、転職はすればするほど不利な条件になり、3回以上経験していると転職が非常に困難になる。