N国党の動きは若者向け発信のヒントになる
【F(大3男子)】高校生の皆さんの話を聞く限り、政治について興味もないし情報収集の仕方もわからない中で、主にYouTubeでN国党が発信したメッセージが刺さった結果、アンケートでの支持率が高かったということですよね。それは言い換えれば、皆さんに最初に届いた政治的なイシューが、NHKの体質の問題だったということ?
【B(高1男子)】僕の場合はその通りですね。
【原田】じゃあ、別にNHKじゃなくてもよかった可能性もあるのかな。例えば立花さんが猛烈に喫煙に反対してても刺さったかもしれない。NHKを解体することの是非は置いておいて、今回のアンケート結果を好意的に解釈するなら、N国党は若い人に政治的関心を抱かせるためのヒントを与えてくれたと言えるかもしれません。それは既存の政党が若者向けにメッセージを発信することをサボっていた、あるいは発信していたけどうまくいっていなかったことの裏返しでもあるよね。
【F(大3男子)】人口構造を考えたら、選挙を見据えるうえで若者が軽視されるのは仕方がない部分もありますけどね。
【原田】うん。だから僕は、少しでも若い人の票を増やすためにも18歳で選挙権を与えることには賛成なんです。ただ、N国党に感化された男子高校生がN国党しか知らないまま大人になってしまうリスクもある。一方で今のところは、自民党も立憲民主党をはじめとする野党も、YouTubeを使って立花さん以上に男子高校生を取り込める気がしない。メディア環境が変わっていく中で、必ずしもキャッチーではない、でも社会にとって必要な政策を訴えるにはどうすればいいか。正直、今の僕にはいい案が浮かばないんだけど、N国党のような極端なPRが刺さりやすい状況は、ひょっとしたら今後もしばらく続くかもしれないね。
(構成=須藤 輝)