統合を仕組んだ孫正義の思惑
11月18日、「ヤフー」を展開するZホールディングス(ZHD)と、無料通信アプリ大手のLINEが経営統合に関して基本合意したことが発表された。
今回の統合の背景には、米国のGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)や、中国のバイドゥ、アリババ、テンセントと肩を並べる世界有数のテックカンパニーを目指す意図がある。今後の展開によっては、両社が世界の市場でそれなりのシェアを獲得するチャンスはあるだろう。
しかし、統合会社の株式の時価総額や研究開発費などの規模を見ると、米中のIT先端企業との差は歴然としている。両社が米中の大手企業に真正面から競争を挑み、シェアを得ることはかんたんなことではない。
今後、両社は相対的に有利なポジションを持つ韓国や東アジア諸国を基礎にして、新しいビジネスモデルを整備し成長期待の高い分野に積極的に進出することが重要だ。今回の統合を仕組んだ孫氏がどのように両社が組織をまとめ、いかなる新しい発想をもとに成長を目指すか注目していきたい。