大赤字で本当に反省しているのか

11月6日、ソフトバンクグループ(ソフトバンク)が2019年7~9月期の連結決算を発表した。それによると、最終損益は約7002億円の赤字だった。これは、四半期ベースで過去最大の赤字だ。グループを率いる孫氏は「大赤字で反省している」と述べた。

WeWork
写真=iStock.com/hapabapa
※写真はイメージです

巨額の損失が発生した背景の一つには、ソフトバンクがかなり急いで成長を追求してきたことがある。同社は、世界有数のIT先端企業を糾合することを目指している。ただ、成長にこだわるあまり、やや高値での株式取得が重なったことに加えて管理体制が甘くなってしまった。そうした事態は、いってみれば“急成長に対するコスト”といえなくもない。

また、ここへきて世界経済に関する不確定要素が増えていることもマイナスの要因として働いた。世界全体で非製造業は安定を保っているものの、米国の保護主義的な政策の影響もあり、サプライチェーンの分断などで製造業の景況感が不安定化している。

米中貿易摩擦の影響などを考えると、当面、短期間で投資家のリスク許容度が大きく高まる展開は期待しづらい。そうした状況下、ソフトバンクが成長エンジンのパワーを維持できるか注目される。