芸能界の非人道的な因習を知らしめた

「嵐」の二宮和也(36)と元フリーアナウンサーの伊藤綾子(38)の結婚発表は、芸能界にはスターの結婚が許されないという非人道的な因習がまだ残っていることを、多くの人に知らしめたという一点においてだけ、評価され、祝福されるべきだと、私は考える。

写真=AFP/アフロ
2019年7月10日、ジャニー喜多川氏(故人)が興した「ジャニーズ事務所」の外観。

はるか昔にも、映画会社の縛りによって、トップスターの結婚が許されない時代があった。

今は覚えている人も少ないだろうが、日活という映画会社の大スターだった石原裕次郎が、映画『狂った果実』で共演して恋仲になった、これもトップ女優だった北原三枝との結婚を、日活が許さなかった。

追い詰められた2人は、手に手を取ってアメリカへ「婚前旅行」に踏み切ったのである。メディアがそれを知ってすっぱ抜こうとしたため、日活側が折れ、2人そろって羽田空港に帰ってきた。

結婚した北原は芸能界を引退した。その後、裕次郎は日活を飛び出し、独立して映画『黒部の太陽』を作ったことはよく知られている。

これも大昔だが、歌手の美空ひばりと俳優の小林旭が結婚したときも、大騒ぎになった。