持ち家からの住み替えを考える際、家を賃貸に出したいという相談をよく受ける。家を買うときに「何かあれば貸せばよい」というのは、よく聞くセールストークだ。
が、現実はそう甘くない。昨今、賃貸住宅の空き室率が高くなり、市場に合わない物件は借り手がつきにくい。たとえば、ワンルームや1LDKの需要が多い地域でファミリータイプを賃貸にするのは難しい。また、同じタイプの物件が数多く供給されていると、やはり借り手を見つけるのに苦労する。
まずはインターネットの不動産サイトをチェックしたり、地元の不動産業者を回り、駅までの距離、広さ、間取り、築年数など条件の似た物件を探し、家賃相場を知ろう。ただし、借り手市場の今、実際の家賃は値引きされることも多い。相場から5%程度差し引いて見積もるべきだろう。
賃料が想定できたら、1年分の家賃の合計額を物件の購入価格で割って、不動産投資としての利回りを割り出してみるとよい。ランニングコストを含まない表面利回りで10%以上出ないと収益は見込めないが、マイホームの場合、5%内外であることがほとんどのはず。一般にマイホーム購入は家賃とローンの比較で購入可否が判断され、投資としては割が合わないのだ。住宅は新しいほど価格の下落が著しく、築10年で半額になる場合も。築浅物件ほど、貸すより1日も早く売ったほうがよいだろう。