1991年に旧ソ連から独立して以来、世界に先駆けて「電子政府」を実現したエストニア。その「あたりまえ」は、日本とは大きく違う。エストニアで現地法人を設立し、日本でもビジネスを展開するblockhive CEOの日下光氏に聞いた――。
エストニアに本拠地を置くブロックチェーンスタートアップblockhive CEOの日下光氏

働く人たちに「10分間の投票休憩」

平日の勤務中、10分間の休憩時間にオンラインで選挙の投票を済ませる。

これがエストニアの日常です。投票日は働く人たちに「投票休憩」が与えられ、すべての有権者が電子投票できる。そのためこれほど短時間での投票が可能です。

エストニアでは引っ越しもラクです。所要時間は数分。PCやスマホからオンラインで住所変更をすると、役所や警察、電気・ガス会社などの関係先に個人の同意に基づくかたちで連携することができます。

日本では転出・転入届を出すためにわざわざ役所へ足を運ばなくてはいけません。しかも窓口が混んでいたら、待ち時間だけで半日が潰れてしまう。引っ越しに限らず、こうした公的手続きのために貴重な有給休暇を使ったことがある人も多いのでないでしょうか。でもエストニアなら、デジタルデバイスさえあればいつでもどこでもオンラインで手続きが完了します。