「弟を日本一にする」。イオングループ創業者・岡田卓也の実姉・小嶋千鶴子は、その言葉通り、家業の岡田屋呉服店を日本最大の流通企業に育てた。その経営手法はどんなものだったのか。『イオンを創った女の仕事学校』(プレジデント社)の著者・東海友和氏は「小嶋の性格は頑固だった。この頑固さがイオンを育てた」という——。

戦後、現金をすべて商品に変えインフレ回避

小嶋千鶴子は、経営の定石を持っていた。

豊富な知識欲、それに見合う学びによって、過去の出来事を知識化し、過去と現在の情報や資料を収集・分析し、現在直面する問題でどう参考にするか、どう適応するかといったことを、スピード感をもって行っていた。

たとえば、岡田屋時代のこと。

第一次世界大戦後のドイツでインフレになったことを学んで知っていた小嶋は、太平洋戦争後の日本にもインフレが来ることを予測し、岡田屋にあった現金をすべて商品に換えることで、このピンチをチャンスに変え、戦後の店舗復興を多いに有利にすすめることができた。

特に小嶋は偉人や成功者の書物を読むことによって、その成功のエッセンスを読み取り、自身の状況と照らし合わせながら、決断をし、勇気をもって実践していった。