ビール類の課税出荷シェアで大接戦
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ビール類の課税出荷シェアで大接戦

分厚い不景気雲が日本列島を覆い、消費者の財布の紐は固くなるばかりの昨今だ。だが今年もビール会社4社の戦いは熱い。

キーワードは、やはり廉価な「新ジャンル(第三のビール)」。去年から今年にかけて4社ともに社長が交代。新たな指揮官が練る戦略を直撃した。

「勝って、本当によかったですね」

藤田浩生は大手スーパー「ライフ」(ライフコーポレーション)の相原良輔チーフバイヤーと喜びを分かち合った。サッカーワールドカップ、予選初戦のカメルーン戦のことである。

W杯での日本代表の奮闘ぶりは記憶に新しい。劣勢の前評判を覆す代表選手の頑張りに、多くの日本国民が勇気を得たのではないか。

ボールゲーム観戦の熱狂にはビールがよく似合う。南アフリカからの熱き風を満々と帆に受けたのは間違いなくキリンだろう。

サッカー日本代表のオフィシャルスポンサーであるキリンは、大会直前から「ライフ」の売り場で盛大にフェアを展開した。主力の「のどごし〈生〉」などに日本代表ユニホームのデザインをあしらった応援缶を積み上げ、看板を掲げ、モニターで映像を流し、楽しく飲んで盛り上がって南アに声援を送ろう、というコンセプトである。とにかく売り場が賑やかで元気がある。