「頭のよさ」とは、「要領のよさ」

私は高校で芸術コースを選択していました。そのおかげで、いざ受験となったとき、必要教科のうち6教科も未習状態。マイナスから一気に巻き返しを図るには、徹底的に「時間対効果」の比率を上げるしかありませんでした。つまり「いかに効率よく、楽して結果を得るか」。「頭のよさ」とは、「要領のよさ」ともいえるのかもしれません。

まず気をつけたいのは、自分の基礎力に不安を感じても、基礎レベルからスタートしないことです。良質な参考書は基礎編をも網羅しているもの。最初からハイレベルなテキストからスタートしたほうが重複を避けられ、効率的に学べます。

そして、使う参考書を決めたら、最初から最後まで一通り目を通してください。真面目な完璧主義者ほど冒頭から丁寧に暗記していこうとしますが、それだと「木を見て森を見ず」状態になってしまいます。枝葉末節はさておき、学習の全体像を漠然とでも把握することがその先の習熟度を決めます。

未完のものに人は強く興味を惹かれる「ザイガニック効果」という心理学上の概念があります。テレビ番組で「続きはCMのあとで」と放送していると、不思議と続きが見たくなりませんか?

脳は空白を嫌いますから、完全に理解していない部分でも、気づくとそのことを考えてしまうんです。興味が湧けば、勉強していない際にも理解力は増し、記憶しやすくなります。