「帰りの新幹線に乗った途端、口もきいてくれなくなった」
夏休みやお盆の帰省シーズンは、実は夫婦にとって注意が必要な時期である。実家の家族とのトラブルが起きたり、夫婦関係に向きあう時間がマイナスに働いたりすることがあるからだ。「実家に帰るのが苦痛」と帰省自体がストレスになることもある。
帰省シーズンにもっとも増えるのは、夫側からの「不機嫌な妻」についての相談だ。
「帰省中はオフクロとうまくやってくれているように見えたが、夫婦二人で帰りの新幹線に乗った途端、口もきいてくれなくなった」(40代男性)
「てっきり嫁姑問題とは無縁と思っていたのに、『今年からはもうあなたの実家には行かないから』と宣言された」(30代男性)
夏休み中の帰省がきっかけで、離婚に至った夫婦もいるほどだ。そこで今回は、実際に帰省中に起きたことがきっかけで離婚の危機を招いた夫婦のエピソードと、帰省中に変貌した「不機嫌な妻」への対策を考察していく。
「元妻との比較」で嫁姑戦争が勃発
「男と違って女性はコミュニケーションをとるのが上手。オフクロと嫁も仲良くやってくれてると思っていたのですが……」と肩を落とすAさん(37歳・男性)。バツイチで再婚したAさんが、8歳年下の妻との夫婦の危機を迎えたのは、再婚後初めての夏休みにAさんの実家に夫婦そろって帰省した時のことだった。
「息子の好物を食べさせたいから」と張り切って食事の用意をしている母親に、Aさんの妻が手伝いを申し出たところ「大丈夫よ」と断られたとのこと。言葉通りに受け取った妻がテレビを見てくつろいでいると、Aさんがキッチンにいる母親に呼び出され、こんな文句を言いはじめたという。
「今どきの若い人はなかなか図々しいわね。いつもこうなの? ちゃんと手料理は食べさせてもらっているの?」
夫婦関係に亀裂が入ったのは、母親の「○○子さん(元妻の名)は、お料理上手だったのにね」というひと言。「元妻と比べられていると知った妻は一気に不機嫌モードに。自宅へ戻ってからも冷戦ムードは続き、一時は離婚の話まで持ち上がった」。