3つ目のポイントは、目標の大きさである。たいていの人は新年を迎えたばかりで、大きな目標を立ててしまいがちだ。もしかしたら夢は大きければ大きいほどすばらしいと思っている人もいるかもしれない。しかし、それがそもそもの間違いで、実は小さい目標のほうがいいのだ。

米国スタンフォード大学のアルバート・バンデュラたちの論文によると、短期でできる目標を立てさせたグループと、長期的な目標を立てさせたグループでは、最終的にやらせる内容は同一であっても、前者では74%が完遂でき、後者では55%しか完遂できなかったという。

つまり、小さな目標を組み合わせるようにして、結果として大きな目標に結びつけるような設定の仕方が望ましいのである。大きな目標を立ててもいいのだが、まずはそれを小さく分割してできることから開始してみてほしい。

ご褒美と目標が決まったら早速、行動開始だ。行動を開始するタイミングは早ければ早いほどいい。できれば目標を決めたその日から、少しずつでも始めるのが肝心である。「来週になったらゆっくりと」という態度では、目標は完遂できない。

最初のうちは、どれくらい自分が頑張っているかを知るためにも毎日の「達成度」をチェックしよう。なぜ達成度チェックをするかというと、これによって自分が最初に立てた目標が、ゆるすぎるか厳しすぎるかを確認することができるからである。

 実際に始める前はやや困難だと思えたことでも、やってみるとたいしたことがないと気付くことがある。その場合は、もう少し目標を厳しくするなどの修正が必要である。逆に、目標が厳しすぎて心理的にも身体的にも苦しすぎるという場合は、若干ゆるめてもかまわない。
数日やっていると、自分に合うペースがわかってくる。こればかりは、実際に試してみないとわからない。そのため、毎日の達成度をチェックしてみる必要があるのだ。

クイーンズ大学のジュリアン・バーリングのグループは、カナダにある自動車ディーラー60社に連絡を取り、セールスマンを対象にした調査を行っている。その結果、「やる気」のあるセールスマンは、自分が毎日、どれくらいの仕事をやっているかをきちんとチェックする習慣があることを発見した。毎日のチェックはやる気を維持するうえで、絶対に必要なのだ。

毎日チェックするようになると、「今度は、もう少しこうしてみよう」とか、「明日は、違うこともやってみよう」などと頭で考えながら、自分に合うように目標を進化させることができる。だからこそ、やる気が失われないのである。1番ダメなのは、目標を立てっぱなしにする人だ。目標というのは、いわば道具であり、自分なりに使いこなすことが必要であるが、そのためには毎日のように自分で触っていなければならないのだ。