仕事の目標、家庭での目標、健康上の目標……。自分をその気にさせて1年後にその目標を達成する方法を心理学者が伝授する。すでに目標がある人も、意外とその設定の仕方に問題があることに気付くはずだ。

新年を迎えたばかりのときこそ、目標を立てるチャンスだ。この時期には、だれでも「今年はやってやるぜ!」という意識に燃えているもの。それを有効活用しない手はない。この時期を利用して、自分なりのスキルアップを図るのが賢いビジネスマンである。

とはいえ、自分勝手に目標を立てても、結果としてうまくいかないことは、読者のみなさんも長年の経験からご承知の通り。「今年はやるぜ!」という熱い思いが、3日後には、早くも儚い挫折へと変わってしまわないように、ここでは、誰でも簡単に実践でき、かつまた、必ず目標を完遂できる具体的なアドバイスをさせていただきたいと思う。襟を正してしばし私の話に耳を傾けてほしい。

ご褒美を先に決めてそれに合った目標を考える

サーカスでは、ライオンが火の輪を豪快にくぐったり、クマがボールで曲芸をしたりする。けれども、彼らは何も自分から好き好んでそんなことをやっているわけではない。ただ自分の大好きな「ご褒美」がもらえるから、それをやっているだけである。人間も同じで、「ご褒美」がなければ、やりたくもないことをできないものである。

年間目標を立てる場合、多くの人は、「何を目標にしようかな?」ということをまず頭に思い浮かべようとするだろう。しかし、それが間違いなのだ。正しくは、「どんな“ご褒美”を自分にあげようかな?」と真っ先に考えるべきなのだ。まずご褒美を決め、それから目標をゆっくり決めていけばいいのである。
「そうだ、俺は釣りが大好きだから、釣りに行くことをご褒美にしよう!」「そうだ、俺は一度全身エステってやつを試してみたかったんだ!」。こうやってご褒美を用意すれば、そのご褒美を手に入れることが楽しみになる。それができてから、今度は目標を立てるのが正解だ。