日本で最大級の飲食店検索サイトを運営するぐるなびでは、毎朝ユニークな朝礼を行っている。考案したのは久保征一郎社長だ。

「普通の会社では総務部あたりが朝礼の管理をやるでしょう。でもうちは社長直轄です。いい朝礼にしようと、社員と議論しながら質を高めています」

この日の朝礼は本社が担当。その様子は全国の営業所のテレビ画面にリアルタイムで流される。

この日の朝礼は本社が担当。その様子は全国の営業所のテレビ画面にリアルタイムで流される。

同社では、地方の営業所を含めた国内の全社員がテレビ画面を見ながらひとつの朝礼に参加。時間までに出社していない人は名前が発表される。遅刻すると全社に知られてしまうのだ。また、各部門が持ち回りで「自分の仕事の内容を紹介する」コーナーもある。

久保社長は「全社員が朝礼に参加すること、お互いの仕事内容を発表することは一体感の醸成が目的です」と語る。「社員が増えると他部門が何をしているのかわからなくなる。コミュニケーションが不足する。それではまずいので、朝礼でお互いの顔を見て声を聞くことを重視しています。ITの会社ですからメールやネットも使いますが、顔を合わせることはコミュニケーションの原点です。そうするうちに同じ会社の仲間という意識が生まれてくる」。

久保社長の想いは深く、月に1度、8人の司会者とともに朝礼について話し合うランチ会議を行っている。司会者の任期は2年。管理職ではなく20代後半の中堅社員が中心だ。久保社長が「見込みがある」と選んだ人間だ。

「『朝礼の時間がもったいない』という意見も出ます。しかしそういう意見が出るのはマンネリ化しつつあるから。私たちは常に朝礼の内容を変えたり、時間を短縮するアイデアを出し合う。朝礼は固定化してはいけません。日々、つくりあげ、進化させていかなくては」

ぐるなびの社是は「4つの進化」だ。勉強して進化し、顧客の知恵や力を借りて進化し、21世紀の食生活を豊かにするために進化するという。そして同様に、同社の朝礼も進化している。

(尾関裕士=撮影)