各種ランキングで上位入り、TVドキュメンタリー番組の主人公ともなる凄腕の医師たち。彼らに診てもらいたい! という願望は叶うのか?

自分の体にメスが入ると考えれば、不器用な医者に手術されるのはごめんだ。願わくば「名医」と呼ばれる腕利き医者にかかりたい。そんなニーズに応えるかのように、出版物やインターネットには名医ランキングなど、名医に関する情報が広く出回っている。だが、そこで紹介されているのが本当に名医なのかどうか、疑問に思ったことはないだろうか。

「"数"は信用に値します」

腕利き医師として広く信頼されている、ある匿名外科医は「“数”は信用に値します」と断言する。

「腕がいいといわれる医者は、手術など技術が問われることが多いですよね。ならば、手術症例数が多いほど腕がいいといえます。さまざまな病院が『この病気ならあの先生へ』と信頼して紹介してくれている結果ですから。『数が多いからといってうまいわけじゃない』という人もいるけど、それは腕がない医者のやっかみ。うまい医者のところには自然と患者が集まるものです」

ただ、名医の存在を知ったところで「強いコネがなければ、診てもらえないに違いない」と諦める向きもあろう。

実際のところは、どうなのだろうか。

政治家が名医に近づけるのは"ルートを知っている"から

「富裕層や政治家、有名芸能人であれば、名医とストレートにアクセスできることが少なからずあります」

そう語るのは、日本の医療を研究する会代表理事の川田諭氏だ。

「しかしそれは、お金を積んでいるわけではなくて、ルートを知っているからなんです」

ある与党国会議員のベテラン秘書が、その川田氏の言葉を裏付ける。