大学病院の"関連病院"から本丸に近づく

「40歳以下の医師は、新しいカリキュラムによる臨床研修を受けており、基本的に全科目を診ています。問診の際も患者を上から見下ろす先生然とした態度は否定され、患者に寄り添う教育を受けています。ある程度、経験を積んだ35~40歳の開業医の中にはいい先生が多いです」(川田氏)

だが現実には、医局繋がりや地域繋がりで親しい医師(病院)にばかり患者を右から左へと機械的に送り込む開業医が少なくないことには注意が必要だ。ただ、その繋がりの強さによる恩恵にあずかれることもある。

「有名な大学病院の関連病院は全国に散らばっています。そこからアクセスするのが本丸に近づく1つの道。大学病院のHPなどに○○会といった文字を見つけたら、そこをたどっていけばいい。また、大きな専門病院の近くに同じ分野を専門にするクリニックがあれば、両者の繋がりが深いことが多いです」(川田氏)

大学医学部同窓会のHPからスタート●大学医学部同窓会HPにあるメンバー勤務先施設のマップから、目当ての医師にアクセスできる可能性も。写真左は慶大(三四会)、右は順天堂大医学部同窓会HPより。

もっとも、注意すべき点はある。

「あちこちの医師にやたら接触するドクターショッピングに走らず、まずは近所でいいかかりつけ医を1人見つけ、いい関係を結ぶことが、名医にアクセスする最善の方法でしょう。困ったときにいつでも相談できるような付き合いを普段から保つことが重要。我々開業医も、それぞれの疾患に適した最善の病院やドクターを人柄も含めて把握し、ネットワークを構築しておく努力をすべきだと思っています」(市村氏)

浮わつかず、まずは基本から……ということのようだ。

(写真=アフロ)
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