場当たり的対応にならない方法とは
台風や大雪の日は社員も出社したくない。しかし、給料が減るのも困る。何かいい解決策はないのだろうか。
「現実的な対応は、社員に有休を使ってもらうことでしょう。有休は事前の申請が必要ですが、会社が事後的に認めてあげれば、社員は給料を減らすことなく会社を休めます。そのままノーワーク・ノーペイになるより、社員にもメリットがある」
別途で有給の災害休暇を設けるのもいい。本来は支払う必要がない休業時の賃金を会社が負担することになるが、人手不足のいま、福利厚生を充実させるのは悪い選択肢ではないはずだ。
いずれにしても重要なのは、事前にルールを決めておくこと。当日朝に場当たり的に対応を決めていたら、社員は振り回されるばかりだ。
「オフィスの場所や担当する業務によって、出社の可否や重要性は変わります。ルールを明確化しすぎると現実に対応できないおそれがあるので、ある程度、柔軟性を持たせるべき。たとえば『近隣の公共交通機関が止まったら出社に及ばず』といったルールで十分でしょう」
(答えていただいた人=弁護士 千葉 博 写真=時事通信)