転職市場「勝ち組」業種は、なぜ強いのか

なぜ、この5業種出身者は転職市場で強いのか。

●インターネット

※写真はイメージです(写真=iStock.com/franckreporter)

インターネット関連技術は今ではどの業種の企業にとっても必須のスキルだ。デジタルマーケティングへの対応はもちろん、新規事業としてインターネットビジネスを企画している企業も多い。

だが、社内にネットビジネスに通じた人材が少なく、即戦力となる経験者を求めている。インターネット業界から採用するしかないが、グーグル出身者であれば破格の待遇で迎えられるのは間違いないだろう。

●投資銀行

投資銀行は主にM&Aの仲介や有価証券の売買で利益を得る金融機関だ。20代で数千万円の年収が得られるケースもある。ゴールドマン・サックスやJPモルガンのようにM&Aを得意とする投資銀行から、培った知識と経験を武器に事業会社の経営企画部門や財務部門の幹部として転職する人も少なくない。

キャリアアップをはかる踏み台として絶好の職種

●コンサルティング会社

戦略系コンサルティング会社も年収が高いだけではなく、若くして大手企業の経営課題の解決にあたるために豊富な知識と経験を修得できる。企業の経営企画部門の40代の部課長と一緒に改革課題を立案し、実行までフォローするうちに、自分も直接当事者として携わりたいという思いを抱く人も多い。

コンサルティング業界出身者は「ポストコンサル」と呼ばれ、あらゆる業界でニーズが高く、実際に経営改革を推進する幹部や幹部候補として活躍する人も多い。

コンサル会社は中途入社も多く、新卒で大手日本企業に就職後、重要な仕事を任せてもらえないことなどに不満を感じ、欧米系コンサル会社に転職する人もいる。そこで幅広い知識と実務経験を得た後、30代半ばで日本企業の部長職として入り、1500万円以上の年収を得るという人もいる。まさに一気にキャリアアップをはかる踏み台としては絶好の職種だ。

IT系コンサル会社は、クライアント企業の情報システムの構築だけではなく、今ではAIやIoTといった重要な技術のコンサルも実施している。その経験を生かして、そのまま企業の情報システム部門や経営企画部門、マーケティング部門に転職する人も多い。筆者の取材でも、業界トップクラスの野村総合研究所出身の30代前半のITコンサルタントがNTTに年収1800万円で転職したケースもあった。