数十年に1度の大きなパラダイムの転換期
――みずほフィナンシャルグループ(FG)社長就任後、見えてきた課題は。
いまは数十年に1度の大きなパラダイムの転換期です。テクノロジーの進展により業務プロセスも大幅に自動化され、フィンテックなどでは異業種との競争もある。そういった中で、みずほFGのおよそ150年の歴史がもつ圧倒的な顧客基盤や国内外のネットワークをベースに、これまでの蓄積だけでなく新しい分野に対しても強力な基盤をつくっていくことで、お客様のニーズに応えていきたいと思っています。
――これまで銀行は利ざやが主な収入源でしたが、マイナス金利により、それだけに頼るのも限界がある。「新しい分野」という言葉も出たが、新たな収入源として考えていることは。
日本には戦後から蓄積されてきた、1800兆円を超える莫大な個人金融資産があります。GDPの3.5倍はあるその資産のリターンを安定的に上げていくことで、国民資産の形成に資することが今後さらに重要になっていくでしょう。
その個人金融資産の半分以上が銀行預金なので、みずほFGがもつ“銀・信・証ワンストップ”の体制で、長期安定的に運用していく。例えば、一般層の方には若い頃からつみたてNISAやiDeCoなどの積立型の投資、富裕層の方にはプライベートバンキングを提供していきます。
非金利収支の割合を、中期経営計画の最終年度である2018年度の中で6割にもっていくのが目標なのですが、現在58%(17年度実績)なので、いい線まで来ていると思います。