「受験経験なし→930点」の人が勧める最短英語勉強法

はじめまして。春名久史といいます。タイトルが長くて覚えづらいですが、TOEIC勉強法の本を書いています(写真)。いまは通訳ガイドとして、全国を飛び回っているところです。でも実は、もともと英語は受験生レベルの素人。それが5週間勉強して初めてのTOEICテストで930点を達成。人生はわからないものです。

そもそも私がTOEICに取り組もうと思ったのは就職のためでした。6年前、40歳を過ぎた私はフリーター生活を送っていました。安定した職業に就こうと面接を繰り返すものの、まともに働いた経験がないため、どの会社からも門前払い。途方に暮れていた私の目に入ったのが求人情報欄の「求める条件TOEIC800点以上」といった記述でした。

それで一念発起し、TOEIC受験を申し込んだものの、試験まではたった5週間。限られた時間で何をやればいいかと様々な書籍や口コミを調べると、あることに気付きました。それは、「TOEIC参考書は賛否両論があるけれど、公式問題集を否定する人はいない」ということです。TOEICでは出題範囲が決まっていて、一定の傾向があるのです。

それで公式問題集を買いましたが、素人レベルの私には解けるはずもない。でも、それで一向に構いませんでした。

現在、公式問題集は新形式対応の4冊が発売。3が最も難しい。

では何をしたかというと、まず公式問題集の日本語訳を見ました。次に対応する英文を読んだ。そこから解答・解説を確認したうえで、英文を見ながらCDを繰り返し聞いていったのです。

これだったら、日本語訳を読んで意味を把握しており、英文をスラスラと読めますし、その後のCD聞き取りも楽になる。最終的には5週間で5冊をそれぞれ10回は繰り返しました。

試験直前にはTOEICにもだいぶ慣れたように思い、700点くらいは取れるのではと期待していたら、結果は予想以上の930点。効果を実感し、その後は同じ勉強法で、国家資格である通訳案内士の試験にも合格することができました。

私と同じ勉強法がすべての人に合うとは限りません。最初に答えを見るのを疑問に思ったり抵抗がある人は、この勉強法を信じ切れないので集中できず効果が落ちます。でも、公式問題集が間違いない教材だということは確か。公式問題集をどう使うか、どの段階で使うかは人それぞれですが、自分が納得できる教材と合わせてでも使い倒すといいと思います。

土屋 雅稔
エクセレンス イングリッシュ スクール主宰
TOEIC990点、英検1級、国連英検特A級。高校はビリから2番で卒業。大学は3日で中退。30歳で英語学習を開始し、1年でTOEIC900点、4年で英語講師。著書に『TOEIC TEST英語勉強法TARGET900』など。

 

春名 久史
通訳案内士
TOEIC講師。1971年、兵庫県生まれ。留学経験はおろか、40歳を過ぎるまでパスポートすら持っていなかった。
 
(文=小島和子 構成=前田はるみ)
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