世の中を変えた3つの革命

これまで世界は3つの革命を経験してきました。それは「農業革命」「産業革命」、そして「情報革命」です。

「農業革命」は「天動説」的世界観。王様というひとりの「自分」を中心に世界が回っている状態です。

「産業革命」は「地動説」的世界観。あるひとりではなく、「社会」や「組織」というものが回る。どれだけ効率よく回すことができるかが勝負であり、「エクセル的な思考」のなかで完璧に生きることが求められます。

「情報革命」がもたらしたのは、いわば「旋動説」とでも呼ぶべき世界観。旋動の「旋」は螺旋の「旋」。つまり渦巻き的世界観です。自分という中心固定点があるわけでも、社会や組織が中心になって回っているわけでもない。主も従もなく、皆がそれぞれに動いている、回り続けているイメージです。

エクセル的思考は「ブレ」がない

エクセルは表計算ソフトなので、インプットに対するアウトプットが必ずあります。ある値を入力すれば、ある関数にもとづいて計算され、ある決まった値が「たったひとつだけ」出力される。それは唯一の「正解」であり、ほかの可能性は完全に排除されています。入力に対する出力は厳密に1対1であり、そこに「遊び」やアバウトさは皆無です。

また、エクセル的思考は想定外のインプットを許しません。具体的に言えば、あらかじめ害毒になりそうだと判断したものは入れないのが、エクセル的思考なのです。

これだとたしかにリスクは避けられますが、情報革命以降の「価値観の突然変化」時には、「インプット時には無駄と思われていたが、後になって価値が出たもの」の取りこぼしが生じます。下ブレはしませんが、上ブレもないのです。