月額の利用料金がリーズナブルな業者がいいとは限らない

そしてIさんの目から見て、最も良いサ高住はパンフレットは地味なKだそうです。

写真はイメージです(写真=iStock.com/Nayomiee)

「大手の企業グループが運営しているからといって良いとは限らないですし、パンフレットのイメージも当てになりません。要はパンフレットで良しあしは判断できないということ。選択の参考にする程度にしたほうがいいと思います」

ただし、パンフレットからチェックできるポイントもあります。それは月額の利用料金です。

「家賃を低く設定する業者が多いんです。でも、月額の支払いはそれでは済まない。電気、水道代を含む共益費や生活支援サービス費といった名目の費用が上乗せされるんです。たとえばCの家賃は6万円。サ高住の家賃相場を調べると、5~8万円のところが多いので、標準的といえますが、生活支援サービス費が3万円以上。それでさまざまなサービスがつくのならいいですが、定時での安否確認や声かけぐらいなんです。これに共益費や食事、介護サービスの利用料などを含めたら20万円近くなってします。リーズナブルな有料老人ホームとあまり変わらなくなってしまうわけです」

家賃以外にかかる費用を含めて月々に支払う上限金額をチェックすべきだというのです。

「そのうえで条件に合うサ高住に入居する方とともに足を運び、部屋を見て、担当者にサービス内容を確認して検討することをお勧めします」

▼サ高住の紹介業者は「(自分が得る)手数料が高いところを勧める」

具体的にはどうしたらいいのでしょうか。

「ネットで調べる方法もありますが、手っ取り早いのは高齢者施設を紹介してくれる紹介業者を訪ねることです。業者は役所の窓口でも教えてくれますし、担当のケアマネジャーに聞いてもいいでしょう。ただ、ここでひとつ注意することがあります。紹介業者は無料で紹介してくれますが、それでも成り立つのは入居契約が成立した時の手数料が入るから。当然、手数料が高いところを勧めてきます。でも、そこが良いとは限りません。最低でも3件、できれば5件くらいのサ高住を紹介してもらい、見学してから決めるべきです。また、家賃以外に設定されている“共益費”、“サービス費”、“管理費”といった費用は具体的に何にかかる費用なのか、内訳を聞くこと、そして基本となる月額利用料で、どこまでのサービスが含まれるのかもチェックしたほうがいいです」

なかにはサービス向上に努め、“入居してよかった”と心から思えるサ高住もあるとIさんはいいます。「今は利用者が選べる立場にあるのですから、納得がいくまで比較検討し、そういうところを見つけていただきたいですね」

(写真=iStock.com)
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