安倍首相は本当に責任を痛感しているのか

NHKのクイズバラエティー番組『チコちゃんに叱られる!』で、キャラクターのチコちゃんが顔を真っ赤にして怒鳴る場面がある。「行政府の長として責任を痛感している」と何度も繰り返す安倍晋三首相に対して、思わずこのチコちゃんのように怒鳴りたくなる。

安倍晋三首相は6月5日、公文書管理に関する閣僚会議を官邸で開き、森友学園をめぐる財務省の文書改竄や自衛隊の日報隠蔽などの不祥事を踏まえ、全閣僚に再発防止策の取りまとめを指示した。

前日の4日には、財務省が「改竄問題の調査報告と処分」を発表しているが、この調査報告と処分も、閣僚会議も、管理強化に取り組む安倍政権の姿勢を国民にアピールするのが狙いだ。

2018年6月4日、記者会見で頭を下げる(左から)財務省の太田充理財局長、矢野康治官房長、伊藤豊秘書課長。学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる決裁文書改ざんなどの問題に関する、同省の内部調査結果と関係者の処分について発表した(写真=時事通信フォト)

閣僚会議で首相は「反省すべきは真摯に反省し、公文書管理の適正を確保するため、必要な見直しを政府を挙げて徹底して実施する」とも語っていたが、安倍首相自身、本当に責任を痛感し、反省しているのか、大いに疑問である。

森友学園への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書改竄、加計学園の獣医学部新設をめぐる疑惑など、安倍政権の一連の不祥事の根底には「安倍1強」による長期政権の弊害が横たわっている。

そのことを安倍首相はまったく理解していない。少しでも理解していれば、与党の「これで区切りがついた」と幕引きを期待する声に対し、首相として異を唱え、霞が関の官僚に「私に尽くすのではなく、国民に尽くしてほしい。国民の公僕という公務員の在り方を忘れてはならない」と説いているはずである。

読売社説がなぜか「ぱっとしない」理由

財務省は4日、調査報告書を発表し、理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官が改竄を指示していたと認定した。そのうえで「停職3カ月相当」の懲戒処分として、佐川氏の退職金を減額した。このほか20に対し、停職、減給、戒告などの処分を下した。

トップの麻生太郎財務相は監督責任を問われて給与の1年分を自主的に返納する形となった。ただし財務相の職にはそのままとどまる。

ここで各紙の社説を読み比べてみよう。

6月5日付の読売新聞社説は、「財務省処分」「再発防止で信頼回復を急げ」と見出しを付け、「財務省は、失墜した信頼を回復できるか。再発防止へ、重い課題を背負ったと言えよう」と書き出している。

「失墜」「信頼」「再発防止」「重い課題」と並べ立ててはいるが、どこかぱっとしない。なぜだろうか。