クルマを持たない若者が増えている。都市部の若者は半数以上が免許も持っていない。だが「欲しいクルマ」について聞くと、特に男性は輸入車や高級車の名前をあげる。「いつかは乗りたい」と思っているのだろう。では思い切って輸入車を購入し、一生乗り続けた場合にはいくらかかるのだろうか。その驚きの試算結果とは――。

輸入車・高級車に乗り続けた時の総コストを試算した

先日、長男の進学する大学が決まったというAさん(50代男性)から、「実は長男から“おねだり”をされて参っている」という話をうかがった。

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「おねだり」の内容は「クルマの運転免許証を取りたい」というもの。長男の進学先は地方で、同じ大学に進学した先輩から、「クルマは必需品。免許だけでも取っておくべき」とアドバイスされたらしい。

教習所に通った場合、「普通免許」(マニュアル)では約30万円、「AT限定」では約28万円が費用の相場だ。現在では、費用が安く、運転も簡単な「AT限定」を選ぶ人が過半数を占めているが、長男はクルマ好きらしく、普通免許を希望しているという。Aさんはこう語る。

「大学の受験費用に入学金、地方への引っ越し費用なども含めると、200万円近くかかった上での出費は痛かったです。長男は『バイトして返す』って言っていますけどね」

▼コスパ重視の20代・30代のクルマへの意識は?

よく「若者のクルマ離れ」と言われる。ソニー損害保険の「2018年新成人のカーライフ意識調査」によると、今年の新成人(1997年4月2日~1998年4月1日生まれ)の運転免許保有率は56.0%だった。居住地別にみると、都市部が48.9%、地方が58.7%で、地方のほうが保有率が高い。

私が新成人を迎えた1989年当時、男女を問わず、「免許をもっていない」というのは考えられなかった。都市部では免許をもつ人のほうが少数派というのは信じられない。だが都市部の若者からは、次のような意見をよく耳にする。

「結婚したり、子どもができたりして、クルマが必要になれば免許を取りますけど、将来使うかどうかわからないものにお金をかけるなんて……」
「別にクルマが趣味というわけでもないし、電車やバス、タクシーを使えば十分ですよ。どうしても必要なときはレンタカーをすればいいですし、最近はカーシェアリングもありますから」