確実に資産を増やす方法はあるのでしょうか。「プレジデント」(2018年1月15日号)では、10人の識者に「知っておきたいお金のキーワード」について聞きました。第4回のテーマは「有事の資産防衛」です――。(全10回)

"北朝鮮ミサイル発射"と防衛銘柄株の値動きは連動

緊張高まる北朝鮮情勢は一向に収まる気配を見せません。そんな情勢下で、守るべき資産のある人が不安を感じず、リスクに対応する方法を考えてみましょう。

有事に備えるための投資先として、まず挙げられるのが、戦闘機などの兵器製造大手の三菱重工業や自衛隊向けに発煙筒や照明弾を納入する、細谷火工に代表される防衛関連銘柄です。かつての米露関係のような冷戦状態が続けば米国の軍需産業は潤います。その意味で私は、いまの米朝間の緊張状態がしばらく続くのではないかと考えています。とすれば、周辺各国は防衛力を強化せざるをえませんから、軍需産業に資金が流入すると考えていいでしょう。

ただし、実際に投資する場合には、長期保有は禁物です。過去に北朝鮮がミサイルを発射した際の株価の値動きを見ると、発射リスクが高まると関連の株価が上昇しますが、それが続くのは発射後平均して3~4日程度です。プロトレーダーは、防衛関連株がテーマ株として注目を集め始めた時点で買い、ミサイル発射などの好材料が出て株価が上がったところで売り抜けます。しかし、もしミサイル発射がなければ、株価が上昇しないリスクもあるので、その点には注意が必要です。