中国共産党の規制が少ないから女性は派手なメイクをする
成都は、上海ほどの規模の大きさはない。しかし、経済はほどよく上向きに安定し、人々はリラックスして暮らしているように見える。多くの女性は穏やかな表情をしている。「上海の人たちは、出世したい人が多い。競争社会でストレスがあって大変だと思う」(楊さん)。そんな大都市すぎない環境であることも、美人量産の背景にあるのかもしれない。
「成都は他の都市と比べてメイクはやや派手。そして、おしゃれだと思う」(楊さん)
「女性たちは結婚してもメイクしておしゃれすることを忘れません。私の50代後半の母は今もあでやかな口紅をつけ、化粧もしっかりしています」(同上)
「友だちと会うときは、負けないようにお化粧します。写真も撮るし、みんなきれいにしている」(張さん)
中国全体では女性より男性のほうが多いが、成都のある四川省は女性のほうが多い。それだからか、四川省は女性の相対的な地位が高くて強い。
なお、取材した女性たちは日本での留学・就職経験もあり、「成都は、日本の福岡・博多に似ている」と言っていた。いわく、成都も博多も、気候がよく食べ物がおいしく、おしゃれな人や美人が多い、と。また、街の形態もともにぎゅっとコンパクトに集まっていて、生活レベルも高い、とも。
▼赤い口紅をすることに何の躊躇もない
●成都に美人が多い理由5
文革のとき、厳しい規制を受けなかった
北京や上海など大都市に比べ、中国共産党の統制が、成都ではやや緩い(ような気がする)。15年前の分析結果は、現在もそのまま当てはまめることができるのではないか。そうした締め付けのないのんびりした環境だからこそ、女性たちは派手な赤い口紅をすることに何の躊躇もない。つまり、「街」が美人を作っているのかもしれない。
そして今回、「歴史ある都市に住んでいる」という誇りのようなものも、成都の女性の凛としたいでたちに関係しているように感じた。劉さんは言った。
「何百年の国(アメリカ)と、何千年の都市(成都)では話があわないんですよ」
成都の美人は、一日にしてならず。ということなのだろうか。