なぜ低い金利で貸すことができるのか?

――なぜ低い金利が実現できるのか?

【大森】AIによって精度の高い審査を行える点に尽きます。金融機関にとって、お客様がデフォルト(自己破産や音信不通などによる債務不履行)してしまうと、回収のための督促等に労力がかかることが、大きな負担となります。これが全体コストとして、お客様の金利に上乗せされるのです。きちんと返済できる方に、無理のない範囲でお借り入れいただければ、金利は低く抑えることができます。今後、AIが学習し、審査の精度をさらに高めていくことで、より低い金利でのサービス提供ができるようになるかもしれません。また、スマホやパソコンで手続きが完了できるため、店舗をもたず人件費も抑えることができる低コスト体質である点も大きいと考えます。

――ターゲットは?

【大森】特に夢を追い求める若い方にご利用いただきたいと考えています。遊興費や差し迫った生活費としての利用ではなく、資格取得や留学など、自分の夢を実現するために前向きな借り入れをしていただきたい。スコアには、お客様の将来的な年収の推計が盛り込まれています。つまり、将来のキャリアを高めようとされる方の自己投資に対しては期待値が加わり、より有利な借り入れ条件を提供できるのです。

J.Score 代表取締役社長CEO 大森隆一郎(おおもり・りゅういちろう)
1986年、大阪大学法学部卒業後、旧富士銀行入行。個人部門を長く務めた後、2015年、みずほ銀行執行役員ローン業務開発部長等を経て、16年11月より現職。レンディングビジネスを通じて、全く新しいFinTechブランドの構築と、従来の個人ローンのイメージ変革を目指す。
 
(構成=嶺 竜一 撮影=向井 渉)
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