デキる人は資料作成が速くて上手です。どこが違うのか。日本IBMでエグゼクティブ・プロジェクト・マネジャーを務める木部智之氏は「パソコンで作業する時間はできるだけ短いほうがいい」といいます。ポイントは「構想80%、パソコン作業20%」という時間配分。具体的な方法を紹介しましょう――。
※本稿は、木部智之『複雑な問題が一瞬でシンプルになる2軸思考』(KADOKAWA)を再編集したものです。
いきなりパワーポイントを立ち上げるのはNG
「さて、資料作成に取りかかろう」とパワーポイントを立ち上げてしまったら……。もうそこで生産効率が半減することは間違いありません。
資料作成は、「構想80%、パソコン作業20%」の時間配分を意識すると、最小限の時間でのアウトプットが可能となります。そして構想は、必ずノートやコピー用紙に手書きで行います。
構想を手書きで行う理由は、「やり直しのムダ」を撲滅するためです。内容が確定していないのに、初めからパソコンを使って作業をしていくと、行き当たりばったりで進んでいくことになります。その結果、途中で論理が破綻したり、ダラダラと長いだけの資料ができあがる可能性が……。やり直しするにも大がかりな手術となりますし、パソコン上での修正は、思いのほか時間がかかるものです。
資料の良し悪しは「手書き8割」で決まる
資料作成は、次の5つの段階(ステップ)を踏んで、完成をめざします。
<資料作成のステップ>
ステップ1:エッセンスを洗い出す
ステップ2:グルーピングする
ステップ3:伝える順序を決める
ステップ4:2軸で図解する
ステップ5:パソコンで資料をつくる
このうちパソコンを使うのは「ステップ5」のみ。残りの4ステップは、すべて手書きで作業しますので、その作業の成否によって資料の質が左右されます。