「働きすぎはあなたの命を削っています」。千葉大学一川誠教授はそう警告する。「振られる仕事は避けられない」とあきらめてはいけない。時間の使い方を変えれば、働き方は劇的に変わる。自分の命を守りながら、キャリアを切り拓く方法とは――。
心筋梗塞や突然死のリスクも高まる
長時間労働への関心が国家レベルで高まっている。なぜ残業が問題視されるのか。
時間と人間の心理や行動の関係を研究する「時間学」の権威で、千葉大学文学部教授の一川誠氏はこう警告する。
「仕事が終わらない人にも、仕事が好きで仕方がない人にも『働きすぎはあなたの命を削っています』と警告しています」
「短気で負けず嫌い、成功意欲が強く、常に時間に追われているような人を心理学では“タイプA”といいますが、心筋梗塞や突然死のリスクが高まります。一番の原因は残業など、仕事の詰め込みすぎによる生活リズムの乱れです」
一方、『トップ1%に上り詰めたいなら、20代は“残業”するな』の著書がある企業コンサルタントの山口周氏は、「大学を卒業後、広告代理店の電通に入社しました。長時間残業が社会問題化してしまった会社ですが、私もご多分に漏れず、20代のころは相当残業をしていました」と話すが、現在は全く残業をしないという。
大切な命を守りつつ、生産性を高めることで残業をなくし、仕事の成果を上げる方法を、一川氏、山口氏に聞いた。