年功序列制度が崩壊して役職定年が導入されたことなどから、年を取れば年収が下がるのが常識となった。しかし、なかには年収を伸ばして、現役時代より稼ぐシニアもいる。彼らはどのような性格の人たちなのか──。

平社員入社から上場企業トップへ

シニアの雇用条件は実に厳しい。図にあるように、1000人以上の大企業の大卒男子の定年後の月給は、ピーク時の約4割も減る。しかし、定年後の新しい仕事で見事に成功を収め、定年前よりも収入を増やしたシニアもいる。

井上幸介さん(仮名)は、大手電機メーカーの営業部門で官公庁に情報システムを売り込むといった実績を挙げ、統括部長まで昇進した。同社は社員を60歳前後で関連会社などへ出向させるのが通例だったため、65歳まで現役を目指していた井上さんは転職を決意、在職中に再就職活動を始めた。