セブン-イレブン・ジャパンの朝礼は毎週1回(最近は月2回)、行われる。参加者は千数百人。先般、テレビ中継された紀香、陣内の披露宴出席者(600人)の3倍弱もの大人数が集まるのだ。つまり、日本の企業で行われている朝礼では、もっとも出席者が多いものだ。この朝礼は1974年に第1号店ができてから33年間、途切れることなく開催されてきた。発案者は現会長の鈴木敏文氏。むろん彼も姿を見せ、社員らに熱く語りかける。

参加するのはオペレーション・フィールド・カウンセラー(OFC)たちである。彼らの仕事は加盟店を回り、オーナーに経営指導やコンサルティングすること。OFCたちが一堂に会する朝礼だから「FC会議」と呼んでいる。

会場は千代田区二番町にあるセブン&アイグループ本社の1階会議室だ。423坪の大会議室に日本全国から集まった人々が並ぶ姿は壮観であり、千数百人の体温が広い部屋をヒートアップさせる。空調が入っていることを感じさせないのだ。

開始は午前9時半で、終わるのはたいてい正午を過ぎる。会議はその後も続き、出席者は地域ブロックごとに分かれて討議を行う。全体会議は3つのパートからなり、どれも30分が目安だ。

(1)成功事例のケーススタディ
売り上げが伸びた店舗の事例などを担当のOFCが発表する。OFCは資料やデータを駆使して丁寧に説明する。内容が具体的なので、私のような門外漢が聞いても興味深いものだった。

(2)商品部からのお知らせ
新商品発売に関する報告と季節キャンペーンを実施するための説明など。

(3)トップの講話
鈴木会長もしくは山口俊郎社長が登壇し、スピーチする。FC会議の目玉と言っていい。特に鈴木氏の話は人気が高く、聴きたいと言ってくるマスコミ人や評論家が大勢いるという。