そこで気になるのが、競技ごとに人気の違いはあるのかということだ。アンケートの回答結果を見てみると、企業の採用責任者の好印象のトップはラグビー部、次いで野球部、アメフト部と続く。実は企業側から見るとラクロス部やアメフト部の人気が高まっているとアスリートプランニングは分析している。

人事部の印象がいいラクロス部とアメフト部

「ラクロスやアメフトの評価が高いことの理由の一つには、文武両道の学生が多いことが挙げられます。野球やラグビー、サッカーなどの部活動出身者は、中学・高校から同じ競技を続けていて、部活動での成績が評価されて進学している場合が多い。そのため、学業面をおろそかにしてきた学生も少なくない。一方で、ラクロス部やアメフト部がある中学、高校は少なく、基本的には大学から始めるスポーツです。すると、大学に入るまでの段階で一般入試、あるいは指定校推薦など、学業である程度優秀な成績を修めた学生ということになる。よって、企業側からすると、ラクロスやアメフトは、文武両道の学生であることが一目でわかる部活ということになり、近年、人気が高まっているのです」(中村さん)

評価の高い運動部に共通しているのは、団体競技であるということだ。団体競技を経験することは、就職にどのように有利になるのか。アスリートプランニングで企業への営業を担当する小笠原和也さんは言う。

「団体競技を経験してきた人の強みは、瞬発的なコミュニケーション能力を発揮できるところにあります。面接の場では、30分程度の面接時間のなかで人を評価しなければならない。となると、瞬発的に切り返しができたり、その場に応じた対応ができる人のほうが採用にいい影響を与えることは間違いない。団体競技経験者は、周囲の人間とコンタクトをとりながら競技してきた経験が生きます」