夫婦関係のすれ違いは生涯我慢しないといけないのか。精神科医の和田秀樹さんは「平均寿命が延びた今、気の合わない相手と我慢して過ごすのはもったいない。1回目は社会的な結婚と割り切り、老後に本当に気の合うパートナーを見つけて2回目の結婚をする。そのためにも、熟年離婚は積極的に考えるべき選択肢だ」という――。(第2回)

※本稿は、和田秀樹『60歳からの人間関係整理術』(河出新書)の一部を再編集したものです。

指輪をはずす年配の女性
写真=iStock.com/TolikoffPhotography
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熟年離婚は悪いことではない

他人同士の人間関係で最も近く、最も濃いのが夫婦関係です。

夫婦は基本、毎日顔を突き合わせる必要があります。夫が定年退職後、仕事もしないで毎日家にいるようになったり、子どもが働くようになって家を出ていったりすると、どんどん夫婦の関係性も変わります。夫婦で同じような方向を見て、同じように考えていればいいのですが、なかなかそうもいかないでしょう。

月に一度くらいは、二人で一緒に豪華な食事をしようと出かけても、そこで話が全く盛り上がらなかったり、夫婦二人で温泉旅行に出かけたとしても、全く楽しくないどころか、むしろ時間を浪費しているだけに感じるという話もあります。家にいても、一緒にいても話題がないとか、話が続かない、ペットを介して会話をするようになったとか、どうも居心地がよくない、一日中気が重いという状態に陥ることもあります。

それでもなんとかうまくやっていけるうちはいいのですが、どうにも我慢できない、いつもイライラして仕方ないということになれば、もう離れることを考えてもいいのではないでしょうか。熟年離婚は積極的に考えるべき選択肢のひとつです。

「人生二毛作」という結婚の新発想

男女ともに平均寿命がこれほど延びた現代、昔と違って老後の生活が長く続くことになります。妻や夫と多少気が合わなかったとしても、「どうせ先はもう長くないから我慢しよう」という消極的な姿勢でいると、実際は先は長いし、楽しめるはずのこれからの人生が、あまりにももったいないのです。

そのために私が提唱したいと考えているのは、結婚における「人生二毛作」という考え方です。

1回目の結婚は、子育てなどの社会的な結婚だったと割り切ってしまうのです。いろいろと我慢することもあったでしょう。そんな困難を乗り越えてある程度の年齢になったところで、その役割は終了です。

そして、次はいよいよその先の人生を楽しく過ごすための結婚を考えることにします。本当に気の合うパートナーを探してもう一度、結婚しようと考えるのは、なかなか理想的な展開ではありませんか。年齢的に介護をすることになる可能性は十分にあるので、「この人のオムツを替えられるか」というのも重要な要素になります。