女優・のんさんが、3月15日に『創作あーちすと NON』(太田出版)を出しました。自身が「創作あーちすと」として取り組んだ絵画や写真などの作品のほか、桃井かおりさんや清水ミチコさん、矢野顕子さんなど多方面で活躍する「先輩」との対談が収録されています。いつも朗らかで自由にみえるのんさんは、今なにを考え、どこに向かおうとしているのか。彼女の「仕事論」を聞きました。

「この仕事がなかったら、のたれ死んでそう」

――私たちは「プレジデントオンライン」というサイトをやっているんですが、「プレジデント」という雑誌をご覧になったことはありますか?

……すみません。

――読者の多くは、毎日同じ時間に、同じように働きに出るようなサラリーマンなのですが、のんさんからはそうした働き方はどうみえますか?

憧れですね。まさに理想の大人というか。

――どういうところが理想なんですか。

自分が女優のお仕事をしていなかったら、そういう会社勤めができるのか、という危うさがあって。妹にも「この仕事がなかったら、のたれ死んでそう」と言われるくらい頼りないところがあるので、私はサラリーマンの方々を尊敬しています。一生、憧れていくんだと思います。

――のんさんからは、みんなすごいパワーをもらっていると思います。

なんて言ったらいいんですかね。職種がちょっと違いますよね。会社で仕事をしているのと、自分の顔や身体で仕事をしてるのと、また違った感じですよね。

――そういう人たちにとっては、のんさんのような自由な働き方は、まぶしく見えると思います。

そうですかね。尊敬している皆さんの疲れをふっとばせるように元気に活動していきたいです。

――そう言われると、読者も喜ぶと思います。

どんな生活を送られているのか、のぞきに行きたいです。勤めに行きたいです。

――ご自身でやってみるなら、どんな仕事がいいですか。

どんな仕事がいいですかね。自分にできることで考えると……。

――公務員?

ハードル高いですね。やっぱり、私はどこにも雇ってもらえなさそうな気がします……。

――子供の頃、あこがれていた仕事は?

子供の頃は、看護師さんとか、お笑い芸人さんとか。

――看護師さんは人に元気を与える仕事ですから、とても向いていると思います。

そうですか。あこがれますね。あこがれや夢見る対象です。でも、そう言ってもらえると嬉しいです。