ホワイトハウスの大統領執務室には、ニクソン元大統領の手紙が額中に飾られている。トランプ大統領が30年前にもらったもので、尊敬する政治家がニクソンなのだという。北朝鮮への圧力を強めるトランプ氏の動きは、そのニクソンに倣ったものではないかと元共同通信ワシントン支局長で国際ジャーナリストの春名幹男氏は指摘する。
「1973年に米国はベトナム戦争の当事者をパリに集め和平協定の調印に漕ぎ着けますが、出席を渋る北ベトナムの指導者のホー・チ・ミンを引っ張り出すために、ニクソンは核攻撃をちらつかせたのです。『怒らせたら何をしでかすかわからない』と思わせて交渉をまとめる。これがマッドマン・セオリー(狂人の理論)と呼ぶ戦略です」
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