初対面の印象がその後の人間関係を左右することは多いものだ。見た目で「感じのいい人だ」と思うと、その人の話していることまでが好意的に受け止められる。
『一流の人はなぜそこまで、見た目にこだわるのか?』の著者でもあるイメージコンサルタントの中井信之氏は「相手に受け入れてもらうためには、清潔感のあるベーシックな服装が一番」と助言する。
おすすめは、無地あるいはストライプの紺色のスーツに同系色のネクタイ。ワイシャツも白が基本。ボタンダウンはカジュアルに見えるのでNGだ。新品を身につけるのも、着心地が悪く落ち着かなくなるため避けたい。
話すときの態度も爽やかさや落ち着きを見せることが大事だ。初対面のときは馴れ馴れしいと思われるので、スーツの前ボタンを締めたままにしておく。会話中にスマホの着信音が鳴りだすのはもってのほか。部屋の暖房が利きすぎて暑いことも想定し、汗をぬぐうための白いハンカチは必携だ。
相手の話すスピードやリズムに合わせるのも、好印象を持たれる手法だ。ゆっくりしゃべる人にはこちらの話すペースも落とし、せっかちにしゃべる人にはキビキビと対応するのがいいだろう。
表情で気を配りたいのは、口角をきれいに上げて、爽やかな笑顔をつくることだ。
「いわゆるアイスブレークの笑顔ですから、本心から面白くて笑うわけではありません。つくり笑いといえば語弊がありますが、気持ちのよい笑顔を相手に向ければ、先方も笑顔を返してくるはずです」
初めての訪問は誰しも緊張するものだが、ひときわあがり症の人はどうしたらいいのか。皮膚科学や美容、アンチエイジングの分野を追究している北青山Dクリニックの阿保義久院長は「訪問の直前に、自分の好きな香りをかぐのも効果的です」と言う。「香りは情動をコントロールする脳の扁桃体に直接作用し、精神や感情の安定につながるとされています」。
初対面でもリラックスした雰囲気で対応できれば、印象に残る。