社内の新年会や大人数の立食パーティーは、ふだん縁のない人と親しくなる絶好の場だ。ほかの人と同じ格好をしていては埋もれてしまう。ドレスコードさえ守れば、少し演出感のある服装もOKだとイメージコンサルタントの中井信之氏は言う。

「ビジネスユースと異なって、スーツはシルクが入って光沢感のあるもの、シャツは襟がワイドスプレッドのエレガントなものもいいでしょう。ネクタイはドット模様など鮮やかなものを締めます。ただし、模様が大きすぎると子どもっぽく見えてしまうので注意」

ポケットチーフやカフスボタンなど、印象的なワンポイントをあしらってみてもいいだろう。女性はブローチで演出する手もある。

「パーティーでは、左手にグラスを持って、右手は握手のためにあけておくのがマナーです。食べ物を持っている場合も、話をするときは一度テーブルに置きましょう。握手をするのですから、ガサガサした手はいただけません。クリームなどを塗って、ケアしておきましょう」(中井氏)

マナーの基本を押さえたうえで、より好人物に見える方法は、大きなアクションで相手を迎え入れる姿勢や、快活な笑顔や明るい声で話すといった、その場を盛り上げるような働きかけだ。

仲間内だけで集まってしまうとか、一人だけ椅子に座ってしまうといった振る舞いは避けたい。

「せっかく、さまざまな方と知り合える機会なのに、ほかの方が接触しにくい雰囲気になってしまいます。一人でいると主催者に『私の開いたパーティーがつまらないのかな』と思わせてしまいます」(日本バトラー&コンシェルジュ代表取締役社長 新井直之)

やはり、初めて顔を合わせる人と会話を楽しむ気持ちが大切だ。

積極的に自分の部下や同僚を人に紹介するのも、好感が持たれる。部下や同僚からの信頼も増すし、紹介した相手からも懐の深い人だと感心されることだろう。

逆に、自分のネットワークづくりの場だとばかりに人に近づくのは無粋に思われてしまう。とくに誰か一人を拘束し、ずっと話しこむのは、相手がいろいろな人と出会うことを妨げてしまうので、大変迷惑になる。

「また、一人で立っているときも、誰かと話しているときも腕組みはダメです。相手は拒否されていると感じてしまいます」(新井氏)

さらに、こうしたパーティーで意外と難しいのが切り上げのタイミングだ。新井氏は「早すぎてもいけないし、ダラダラ最後まで残るのもよくない」と言う。

「基本は中締めで、パーティーの主催者か主賓が挨拶するところまでいるのがマナーです。それまでに帰るときは『この後、どうしても避けられない用事がありますので』と断って会場をあとにします。黙っていなくなるのは感じが悪いですね」

中締めの時間を頭に入れておけば、スマートな退場が可能だろう。