今日は大切な商談があるというときは、相手に信頼感を与えられるような服装や態度を心がけたい。相手がこちらを受け入れてくれないと、自分の言い分が通ることはないだろう。目的にかなう服装は、チャコールグレーあるいは紺色のスーツだ。

「深い色が落ち着きを演出し、相手も安心感を抱きます。同じグレーでも薄めだと、人間まで軽薄に見えてしまうものです」(ポージングディレクター 中井信之氏)

商談時のスーツはそのカタチも重要だ。ふさわしいのはブリティッシュスタイル。「ウエストが一度絞られてまた広がるタイプなので、きちんとした感じを持たれます。逆に、アメリカンスタイルは絞りがなく寸胴で、性格のゆるさを感じさせます」(同)。

きちんとした雰囲気を出すには、靴もノーマルな紐靴が適切。ワイシャツは白で、目の詰まったパリッと張りのあるものがいい。生地にうねりがあるので、しわになっても光沢が出て、きれいに見える。

重要な商談なら、長時間話し合うこともある。椅子は深めに腰かけ、手をテーブルの上に置こう。

「手をテーブルに載せるとき、5本の指をすべて組み合わせると、相手からは『こちらを警戒しているのか』と思われるので逆効果です。指は組まずに、片手をもう一つの手の上に軽く置いて、丸く見えるようにするのがいいでしょう。さらに手のひらが見えるようにすると、相手の言い分を十分伺いますよというオープンな印象を与えることができます」(同)

また、前かがみは闘うポーズに思われるのでやめておきたい。椅子に深く腰かけ、フレンドリーさを醸し出すのがベターだ。服装も、座ることを想定して選ぶといい。

「最近流行りの細すぎるパンツをはいていると、裾が上がって格好が悪いです」(同)

重要な商談のときは、友好的な印象を与えるのがポイントだ。同じ理由で、赤色のストライプのネクタイもやめたほうがいい。

「勝ちたいときは赤いネクタイを締めるべしという通説は有名なので、魂胆が見え見えです」(同)

むしろお互いクールに話し合おうという意味を込めて、青系のタイのほうが適切だ。

表情のポイントは、口角だけでなく眉を上下させながら表情を豊かにし、相手の話をよく理解していると示すこと。一点を見て話すと相手に緊張感を抱かせる。もちろん、あまりに視線をあちこちに向けると、落ち着きのない人と思われたり、相手に対し必要以上に緊張感を抱かせてしまうので注意。

商談場所のスペースが狭く、相手との距離が近い場合は、大きなジェスチャーは威圧感を与えるので避けるのが賢明だ。

また、自分は見えなくても、顔色の悪さや目の充血、唇の乾燥などが気になるものだ。北青山Dクリニックの阿保院長は「内臓の不調が顔に出てしまうことが多いので、日ごろから健康管理を」と注意を促す(次ページコラム参照)。