政治主導の実現、行政のスリム化、構造改革……。はたと気づけば、かけ声は変わっていない。なぜ「改革」は進まないのか。その恩恵を受けているのは誰なのか──。
小野市長 蓬莱 務●1946年、兵庫県小野市生まれ。69年関西大学経済学部卒業、金井重要工業入社。73年分社化でトクセン工業へ転籍。総務・人事統括部長などを歴任。前市長が汚職で退任したことから、99年小野市長選に立候補し当選。2003年と07年は無投票で再選され、現在3期目。10年より近畿市長会会長を務める。
兵庫県小野市。加西市に隣接し、市長も同じく民間出身だ。人口は約5万人と加西市より3000人ほど多いが、市職員のうち正職員は290人、臨時職員は172人(病院と消防を除く)と、いずれも加西市より少ない。プレジデント誌推計では、平均年収は691万円と、全国平均より約60万円、加西市より約50万円高い。ただし総人件費は30億円で、加西市より3億円少ない。蓬莱務市長はいう。
「どうやって職員を味方にして、公僕たる使命感をもってもらうか。ただでさえ公務員はバッシングされている。公務員制度改革は10年以上も成果が出ていません。給与カットのような『政治ショー』を続けても、市民は『またか』と思うだけ。マスコミの責任も重いと思いますよ」
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