政治主導の実現、行政のスリム化、構造改革……。はたと気づけば、かけ声は変わっていない。なぜ「改革」は進まないのか。その恩恵を受けているのは誰なのか──。
<strong>名古屋市長 河村たかし</strong>●1948年、愛知県名古屋市生まれ。72年一橋大学商学部卒業。90年衆院選(愛知1区)に出馬も落選。93年同選挙区で初当選。以来、当選5回。2009年4月名古屋市長選に出馬し当選。所属政党は民主党。地域政党「減税日本」の代表も務める。
名古屋市長 河村たかし●1948年、愛知県名古屋市生まれ。72年一橋大学商学部卒業。90年衆院選(愛知1区)に出馬も落選。93年同選挙区で初当選。以来、当選5回。2009年4月名古屋市長選に出馬し当選。所属政党は民主党。地域政党「減税日本」の代表も務める。

「行財政改革は1981年の『土光臨調』以来、約30年でも終わらない。なぜか。減税をやらないからです。減税で歳入の入り口を絞らない限り、本格的な行財政改革はできません」

市議会のリコール運動を進める名古屋市の河村たかし市長は、語気を強める。リコールの理由は、市議会が河村市長の3つの提案を拒否し続けているからだ。その3つとは、(1)年1600万円の市議報酬の約800万円への半減、(2)住民参加の「地域委員会」の拡充、そして、(3)市民税10%減税の恒久化である。

(石井伸明(名古屋)、プレジデント編集部(加西、小野)=撮影)