上司からも部下からも結論を急かされる時代。あらゆることで即断即決をすることが常に良い結果をもたらすか。心理学者・植木理恵氏がベストな方法を伝授する。
なぜ女性上司は「いいから早く決めて!」と急かすのか
じっくり考えて結論を出すのは、その間にリソースをたくさん集められるメリットがあります。しかし一方で、不利な点も。なかなか結論を出さないため、上司が「あいつはやる気あるのか?」「いつも仕事が遅い」と悪印象を抱く可能性があります。
これには「進捗を報告する」という方法で対処しましょう。
遅刻を例に説明しましょう。たとえば3時に約束していた人がその時間に来なかったら、待たされた人は怒りますよね。これは何に怒っているかというと、「3時に来なかった事実」にではありません。漠然と待たされる不安にさらされたことに、怒りを感じるのです。
実験をしたところ、約束の時間にきっちり現れる人より、遅刻しても「すみません。今、途中まで来ているので、何分遅れます」と連絡を入れる人のほうが、信頼度が上がることがわかりました。
同様に上司は、ゆっくり考えている事実には怒りません。その間、進捗状況が伝わってこないことが不安なのです。なので「今、こんなことを考えています」という中間報告をすれば、即決する人より優秀だと評価される可能性は大です。
上司対策としては、女性上司への気遣いも必要でしょう。というのは、男性と女性の心理的時間は異なっているので。特に20代から40代は、同じ1日、同じ1週間でも、女性のほうが時間を早く感じます。
出産適齢期がある女性は年をとることに敏感で、男性よりも焦っています。よく女性は「早く決めて!」って言いませんか? あれは「私たちには時間がないんだよ」ということ。また男性にはない生理周期があるため、時間の経過を知らしめられる機会が多い。男性のみなさんのように、のんべんだらりと生きていないんですよ(笑)。
だから女性上司に対しては、中間報告をして、より見える化に励んだほうがいいでしょう。そうすれば「いいから早く決めて!」と急かされることは減るはずです。